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ドードー (dodo) は、マダガスカル沖のモーリシャス島に生息していた絶滅鳥類。
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単にドードーといえば、モーリシャスドードー (Raphus cucullatus) を指す。ドードー科に属する鳥には他に2種がある。
存在が報告されてから83年[1]で目撃例が途絶え、絶滅した。ドードー鳥(ドードーとり・ドードーどり・ドードーちょう)と呼ばれることもある。完全な剥製は現存せず、部分的な剥製と発掘復元した全身の骨格標本のみが残っている。
大航海時代初期の1507年にポルトガル人によって生息地のマスカリン諸島が発見された[2]。
1598年に8隻の艦隊を率いて航海探検を行ったオランダ人ヤコプ・コルネリスゾーン・ファン・ネック提督がモーリシャス島に寄港し、出版された航海日誌によって初めてドードーの存在が公式に報告された。食用に捕獲したものの煮込むと肉が硬くなるので船員達はドードーを「ヴァルクフォーゲル」(walgvogel、嫌な鳥)と呼んでいた[3]が、続行した第二次探検隊はドードーの肉を保存用の食糧として塩漬けにするなど重宝し、以降は入植者による成鳥の捕食が常態化した。
隔絶された孤島の環境に適応して天敵なしで生息していたドードーは、
など外来の捕食者にとって都合のいい条件がそろっており[4]、侵入してきた人間による乱獲と人間が持ち込んだ従来モーリシャス島に存在しなかったイヌやブタ、ネズミなどに雛や卵が捕食され、さらに森林の開発[注 1]により生息地が減少し、急速に個体数が減少した。オランダ・イギリス・イタリア・ドイツとヨーロッパ各地で見世物にされていた個体はすべて死に絶え、野生のドードーは1681年のイギリス人ベンジャミン・ハリーの目撃を最後に姿を消し、絶滅した[5]。
ドードーは、イギリス人の博物学者ジョン・トラデスカントの死後、唯一の剥製が1683年にオックスフォードのアシュモレアン博物館に収蔵されたが、管理状態の悪さから1755年に焼却処分されてしまい、標本は頭部、足などのごくわずかな断片的なものしか残されていない[6]。
特異な形態に分類項目が議論されており、短足なダチョウ、ハゲタカ、ペンギン、シギ、ついにはトキの仲間という説も出ていたが、最も有力なものはハト目に属するとの説であった[7]。複数の研究から、現存する最も近縁な種はミノバトと示唆されている[8]。
シチメンチョウよりも大きな巨体[9]で翼が退化しており、飛ぶことはできなかった。尾羽はほとんど退化しており、脆弱な長羽が数枚残存するに過ぎない。顔面は額の部分まで皮膚が裸出している。
空を飛べず、巣は地面に作ったと言う記録がある[9]。
植物食性で果実や木の実などを主食にしていたとされる[10]。また、モーリシャスにある樹木、タンバラコク(アカテツ科のSideroxylon grandiflorum、過去の表記はCalvaria major〈別称・カリヴァリア〉であった)と共生関係にあったとする説があり、1977年に『サイエンス』誌にレポートが載っている[11][12][13]。内容は、その樹木の種子をドードーが食べることで、包んでいる厚さ1.5cmもの堅い核が消化器官で消化され、糞と共に排出される種子は発芽しやすい状態になっていることから、繁茂の一助と為していたというものであった。証明実験としてガチョウやシチメンチョウにその果実を食べさせたところ、排出された種子に芽吹きが確認された記述もあった。タンバラコクは絶滅の危機とされ、1970年代の観測で老木が10数本、実生の若木は1本とされる。ただし、この説は論文に対照実験の結果が示されていないことや、『サイエンス』誌の査読が厳密ではなかったと推測する人もおり、それらの要因から異論を唱える専門家も存在する[13]。
ドードーの名の由来は、ポルトガル語で「のろま」の意味[14]。またアメリカ英語では "dodo" の語は「滅びてしまった存在」の代名詞である[注 2]。 岩波書店『広辞苑』のように、 "ドド" と表記している資料もある。
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