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安浪亮介

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
安浪 亮介
やすなみ りょうすけ
生年月日 (1957-04-19) 1957年4月19日(67歳)
出生地 日本の旗 日本奈良県
国籍 日本の旗 日本
出身校 東京大学法学部

任期 2021年7月16日 - 現職
任命者 菅義偉内閣
前任者 小池裕

任期 2018年12月18日 - 2021年7月15日
前任者 小泉博嗣
後任者 尾島明
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安浪 亮介(やすなみ りょうすけ、1957年昭和32年〉4月19日 - )は、日本裁判官最高裁判所裁判官

大阪高等裁判所長官東京地方裁判所長、最高裁判所事務総局人事局長などを歴任。

人物・経歴

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奈良県大和郡山市出身。東大寺学園中学校・高等学校を経て東京大学法学部卒業。阪神・淡路大震災神戸地方裁判所判事として経験した[1]

主な判決

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東京高裁部総括判事として
  • 2017年2月1日、やしきたかじんの闘病生活を描いた百田尚樹の書籍「殉愛」を巡り、やしきの長女が発行元幻冬舎に損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、プライバシー侵害と名誉毀損を認め365万円の支払いを言い渡した。一審でプライバシー侵害を認めなかった記載についても侵害に当たる部分があると判断し、賠償額を一審判決から35万円増やした[3]
  • 2017年6月26日、杉原千畝の妻の遺言を巡り、四男が長男の子ら3人に遺言の無効確認を求めた訴訟の控訴審判決で、遺言は無効とした一審判決を取り消し、四男の請求を棄却、妻の遺言は有効と認めた。一審判決の根拠となった意識障害は夜間のみで、退院後も講演活動などをしていたため「妻の意思に基づかないとはいえない」とした[4][5]
最高裁判所判事として
  • 2021年12月2日、NHKの放送だけ映らないように加工したテレビを購入した女性が、NHKと受信契約を結ぶ義務がないことの確認を求めた訴訟で、最高裁第一小法廷(堺徹裁判長)は、女性の上告を退ける決定をした。これにより女性勝訴の一審の東京地裁判決は取り消され、請求を棄却した二審の東京高裁判決が確定した[6]
  • 2023年12月20日、新潟小2女児殺害事件で、殺人や死体損壊などの罪に問われた被告側の上告を棄却する決定をした。これにより無期懲役とした一審、二審判決が確定した[7]
  • 2024年2月8日、性暴力被害を公表したジャーナリストの伊藤詩織が、自身を中傷したSNSの投稿に「いいね」を押した自民党衆議院議員の杉田水脈に損害賠償を求めた訴訟で、裁判長として杉田側の上告を退ける決定を行い、杉田に55万円の支払いを命じた二審判決が確定した[8]

脚注

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出典

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  1. ^ 「信頼される裁判所に」 大阪高裁長官就任の安浪氏」『産経新聞』2019年1月30日。オリジナルの2021年7月14日時点におけるアーカイブ。
  2. ^ 最高裁国民審査、全員信任 夫婦同姓「合憲」4判事は不信任7%超」『朝日新聞』2021年11月1日。オリジナルの2021年11月3日時点におけるアーカイブ。
  3. ^ 百田氏書籍、発行元に再び賠償命令 たかじんさん闘病描く」『日本経済新聞』2017年2月2日。オリジナルの2017年2月2日時点におけるアーカイブ。
  4. ^ 杉原千畝の遺品、誰が相続 妻の遺言、控訴審で一転有効」『朝日新聞』2017年6月26日。2017年6月26日閲覧。
  5. ^ 杉原千畝の妻の遺言「有効」 遺産相続で高裁逆転判決」『日本経済新聞』2017年6月27日。オリジナルの2017年6月27日時点におけるアーカイブ。
  6. ^ NHK映らないテレビ、契約義務が確定」『産経新聞』2021年12月3日。オリジナルの2021年12月3日時点におけるアーカイブ。
  7. ^ 新潟の小2女児殺害、男の無期確定へ 最高裁」『日本経済新聞』2023年12月21日。オリジナルの2023年12月21日時点におけるアーカイブ。
  8. ^ SNSの中傷に「いいね」賠償確定 ジャーナリストの伊藤詩織さん勝訴、最高裁」『産経新聞』2024年2月9日。オリジナルの2024年2月9日時点におけるアーカイブ。

外部リンク

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先代
大谷直人
最高裁判所人事局長
2011年 - 2014年
次代
堀田眞哉
先代
奥田正昭
東京地方裁判所所長
2018年 - 2018年
次代
垣内正
先代
小泉博嗣
大阪高等裁判所長官
2018年 - 2021年
次代
尾島明