チベット自治区でM6.8の地震 死者53人 負傷者62人

2025/01/07
更新: 2025/01/07

中国地震局によると、1月7日午前9時頃、チベット自治区でマグニチュード6.8の地震が発生した。震源の深さは10キロメートルで、震源地周辺では多くの建物が倒壊した。当局の公式発表によれば、現在までに53人が死亡し、62人が負傷しているという。

中国共産党官製メディアの報道によると、震源地は北緯28.50度、東経87.45度に位置している。

震源地から5キロ圏内の平均海抜は約4259メートルに達し、周辺には塘仁村、雪珠村など7つの村と、20キロ圏内に措果郷と曲洛郷の2つの郷がある。チベット自治区の区都ラサ市からは379キロ離れている。

震源地から10キロメートル以内の常住人口は約10万700人と推定されている。午後12時30分時点で、地震の影響は定日県の長所郷、曲洛郷、措果郷の3つの郷に広がっている。

地震でこれまでに53人が死亡し、62人がけがをし、そして1千棟以上の建物が損壊したと報じられている。

チベット自治区は現在、災害対応の「二級応答」を発動している。また、アメリカ地質調査所(USGS)は、この地震の規模をマグニチュード7.1と発表しており、今後規模の調整が行われる可能性があるとしている。

住民の証言と被害の状況

「地震発生時、現地の日の出時刻は午前9時2分で、多くの人々がまだ睡眠中だった」と、ネットユーザー「徒歩旅行」は述べている。

インターネット上に投稿された動画では、倒壊した建物や壁が街中に散乱し、道路は瓦礫に覆われた無残な状況が映し出されている。車両が破損している様子や、多くの住民が屋外で避難生活を送っている姿も確認された。

定日県の住民は「紅星新聞」に対し、「今回の地震は非常に強い揺れを伴い、机の上の物がすべて床に落ち、人々は街に飛び出して避難した」と語った。また、地震後、定日県は停電状態に陥ったという。

中国地震警報網によると、地震発生後の午前10時までに、現地では複数回の余震が発生している。そのうち、マグニチュード3以上の余震は5回記録されており、最大の余震はマグニチュード4.4で、主震の震源地から約18キロメートル離れた地点で発生した。

震源地の定日県の人口は、約6万人(2020年の統計に基づく推定値)とされている。この地域は、世界最高峰のエベレストを望む観光地として知られており、ホテルや飲食店などの観光施設が設置されている。チベット文化観光局によると、2024年にチョモランマ風景区を訪れた海外からの観光客は、1万3700人以上になった。地震の影響により観光エリアは閉鎖されたと報じられている。

 

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。