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福島県にある活火山 ウィキペディアから
安達太良山(あだたらやま)は、福島県中部にある活火山。磐梯朝日国立公園の南端に位置する安達太良連峰に属する山である[2]。日本百名山[2]、新日本百名山、花の百名山[2]およびうつくしま百名山[2]に選定されている。山頂には二等三角点「大関平」1699.6m が設置されている。別名は、岳山(だけやま)、安達太郎山。
本項では安達太良連峰全体についても述べる。
安達太良連峰は複合火山で、洪積世前期からの激しい火山活動の後、洪積世の終わりにはほぼ現在の形になった[3]。
北から
約80万年前の大規模な火砕流の噴出で始まったとされ[5]、その後溶岩流を噴出する活動に移行した[6]。藤縄明彦 (1980)[7] は、地質学的に活動を三期に分けた。
噴火時のハザードマップは、沼ノ平火口が西側を向いているため主に猪苗代町を被害の対象としている。ただし西よりの風が常風のため、噴火時には二本松市側にも大量に降灰する可能性は高い。気象庁では地震計、空振計、GPS観測装置、カメラを設置し常時観測を行っている。
火山噴火予知連絡会によって火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山(常時観測火山)に選定されている[9]。
沼ノ平周辺の荒涼とした火山の景観がみどころ。また、ガンコウラン(岩高蘭)、クロマメノキ(黒豆の木)などの高山植物を始めとし、ヤエハクサンシャクナゲ(八重白山石楠花)、サラサドウダン(更紗灯台)、レンゲツツジ(蓮華躑躅)などが咲き誇り、田中澄江著『花の百名山』の一座にも選ばれている。この火口を中心とする優れた景観と、そこに生育する高山植物等を保護するため、磐梯朝日国立公園に指定されている。
また周辺には、岳温泉、奥岳温泉、塩沢温泉、野地温泉、横向温泉、沼尻温泉など、多くの温泉場がある。冬期には、あだたら高原、塩沢、箕輪の各スキー場が運営される。緩やかな山体から山スキーのメッカとしても名高い。
『万葉集』にも歌われ、また高村光太郎の『智恵子抄』の「樹下の二人」や「あどけない話」の節にも「阿多多羅山」の名が見える。深田久弥の随筆『日本百名山』にも登場する。
東山魁夷『青響』は、安達太良山の登山口のひとつ「旧土湯峠」あたりのブナ林をモチーフにした作品。[10]
西側斜面、現在の沼尻元湯温泉と呼ばれる野湯がある一帯では昭和40年代まで硫黄の採掘が行われていた。1900年の噴火では鉱山に火砕流が到達し、多くの死者を出している。採掘された硫黄の搬出のために磐梯急行電鉄が敷設され、その終点である沼尻駅へは、鉱山から索道で硫黄が輸送されていた。
全体として緩やかな山体で、夏期でも奥岳から薬師岳にスキー場のゴンドラリフトが運行されており、標高1300メートル付近までは難なく上れるため、初心者でも比較的登りやすい。主な登山口は、奥岳(二本松市)、塩沢温泉(二本松市)、野地温泉(福島市)、沼尻(猪苗代町)、石筵(郡山市)である。稜線付近は森林限界を超えているために樹木がほとんど無い為に身を隠せるような場所はなく、雷雲がやってきた際は非常に危険である。加えて、悪天候時は稜線付近に強風が吹き荒れる上に、目標物に乏しく視界不良時は立ち入りは避けた方がよい。
1997年に沼ノ平火口で登山者4名が有毒火山ガスのため死亡した。この事故以来沼ノ平コースとくろがね小屋〜鉄山コースは通行禁止となった。2020年現在も沼ノ平火口の周辺は火山ガスを噴出し続けている。
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