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佐藤 垢石(さとう こうせき、1888年(明治21年)6月18日 - 1956年(昭和31年)7月4日)は、日本のエッセイスト、釣りジャーナリスト。本名は佐藤 亀吉(さとう かめきち)。号の「垢石」とは釣り用語である。鮎は水中の石の表面につく水コケを食用とするが、鮎釣り師はこの水ごけを「垢」と呼び、垢の食べ跡を観察して魚の所在を判定するという。
群馬県前橋市(当時の群馬県群馬郡東村)生まれ。報知新聞記者を経て文筆で独立し、「鮎の友釣り」「たぬき汁」など、釣りを中心とした多くの随筆を発表した。戦後は執筆だけでなく、雑誌「つり人」の初代編集人になるなど、現代釣りジャーナリズムの揺籃期の中心人物としても多大の貢献をした。
垢石は、釣りだけでなく旅、食、酒、艶笑譚、匿名の政界ゴシップ(「政界夜話」)などを盛んに執筆し、さらに代作者として関わった本もある(呉清源の随筆は話を聞いて佐藤が代筆したものとされる)。いずれでも、漢文的素養と市井の軽妙洒脱さをあわせ持った文章は独特の滋味にあふれている。純然たる文学者というよりは庶民派のエッセイスト、雑文家として過ごしたといえるが、その文章は井伏鱒二や滝井孝作などの文学者にも評価された。
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